地球資源の使い方と私たちの生き方

 ここで、地球をちょっと考えてみたいと思います。

地球の陸と海

 改めて言うまでもありませんが、地球の大陸と海の割合は3:7と言われています。しかし、地表面の1/3は乾燥地帯であって殆ど不毛の地域なのです。人類・生命にとって重要な、森林はそのうち27%、耕地は10%しかありません。地球全体では、これらはそれぞれ7.8%、2.8%しかないのです。基本的にはこれらの土地によってこれからの人類は支えられていくことになります。

大切な森林の存在

 森林は、現在の人類にとっても今後の人類にとっても下記のような意味で極めて重要な資源です。しかもそれは、これまで人類が手にしてきた資源の中で再生産可能な資源であると言う意味でも極めて重要なものです。すなわち、地球上の生命を支えるものだといっても過言ではありません。
  • 気候を制御する
  • 水循環を支える
  • 種の資源
  • 人類を支える長期的な資源・エネルギー

 しかし、現在残された熱帯雨林は人類誕生の頃と比較すると約半分しかないということであり、この数十年間で倍になろうという人類を支えていく重要な資源であるにもかかわらず、現在、日本の面積の半分、約1.7万ヘクタールもの熱帯林が毎年消滅している(つまり後楽園ドームの規模が毎秒消滅しているということ)というのが実態なのです。


 人類の今後にとって今問われているのは、地球という限られた宇宙船の中で生きていくために、その資源をどのように使って行くべきか、そしてどのようにそれを配分していくかということになります。

限られた資源・エネルギーの使い方

 現在の私たちの社会の繁栄は、主として地球上に長期間にわたって蓄積された資源・エネルギーを一気に消費することによって得ているものであり、現在の環境問題はその必然的な結果として生じているものです。
 しかも、それらもこの数十年で確実に尽きようとしています。それに変わる資源は地球上に見出すことはできないのです。それらが尽きるまで地球の環境が保たれればそれでも良いじゃないか、という風に考える人もいるかもしれませんが、それはあまりにも情けない考え方でしょう。
#楽天的な人は核融合の時代が来るじゃないか、と言うかもしれません。しかし、待って下さい。そこから発生する大量の熱はどこに放出できるのですか?私のつたない知識でも最後に残る環境問題としての熱汚染の問題は、人類のエネルギー消費を抑えない限り避けようがないのです。

 確実に言えることは、化石燃料やその他地球資源は、今後の世代にとっても恐らく必要不可欠な資源である筈だし、いずれは再生可能な資源によってしか生きられない時代が確実にくるということでしょう。そうした時代に向けて私たちはどのように生きていったらよいのでしょうか。

 こうして考えると、地球環境の問題は、私たち人類の生をどのように見るかに係わってきます。
 「後の時代の人間の話しなんか知らないよ!」という人もいるでしょう。「人類がいつ絶滅するかわからないからこそ、次の世代に良き資産を残していきたい」と考える人もいるでしょう。少なくとも後者の人々が絶対多数であって欲しいのですが....。

 後者の人々が絶対多数だとすれば、私たちの生きるべき方向は、私の結論では、クリーンなエネルギーによる生活に対応していけるよう私たちの生活を変えていくしかないのです。

#ある会合で、「地球は現在寒冷化に向かっている段階であるから、地球の温暖化はむしろ歓迎すべきことなんだ」といった高名な学者がいるそうです。時には専門分野からの狭い発想でものを言う学者もいますが(むしろそんな人ばかり?)、その人は、現在の温暖化のペースが、地球の寒冷化と調和していると考えているのでしょうか?人類は、地球の寒冷化に併せて温暖化をコントロールできるとでも考えているのでしょうか?化石燃料を使いきってしまうことが将来の人類にとって仕方ないことだと考えているのでしょうか?
#学者が専門的な分野について発言する時、それは冗談ではすまないんですよね。困った人もいるもんです。

限られた資源・エネルギーの配分

 地球環境問題を解決していくためには、乗り越えるべきもう一つの苦しい問題があります。いわゆる南北問題です。

 すでに高度な生活水準に達している先進諸国はエネルギー削減を主張しても、開発途上の諸国はそれを納得してくれるでしょうか?しかも、それらの国々は、今後爆発的に人口を増やしていく国々なのです。
 先日行われた京都の地球温暖化防止国際会議の状況を見てどのように皆さんは感じられたでしょうか?残念ながらそれが実態だと私は思うのです。

 確実に言えるのは、今後は、先進諸国は一層エネルギー消費を抑えることが必要になるでしょう。また、そうしなければ人類は地球上には存続できないのです。
 また、この南北問題は一層激しさを増していくに違いありません。そして人間の様々な欲がその解決を困難にしていくことも確かなように思われるのです。


私たちの生き方

 今から20年前、大学院にいた頃ですが、こうした環境問題を考えるようになりました。この問題に深く入れば入るほど「環境運動」を展開していかざるを得ない心境になっていきました。それが私の望む生き方かといえば、なかなかそうは結論を出すことができませんでした。私は当時、建築行為には疑問を持っていましたが、やはりそれに係わっていくことが好きだったのです。それでちょっと道は変わりましたが、都市計画を仕事としていく道を選択しました。自分の生き方として、今はそれで良かったと思っています。
#どう考えても、小さい頃から建築的な仕事をやりたいと思っていた私には、なかなか成果の出にくい守るための仕事より、成果が目に見えるものとして結実する行為の方がやりがいを感じることができ、それを仕事としていくことに決心したのでした。それに少なくとも「建築よりはつくることを義務づけられていない」という点で多少の心のやすらぎを得ることができました。
 それに当時、これほど急速に環境問題が深刻化するとは考えていなかったということもあります。

 しかし、心の片隅では、消費社会のあり方にはずっとひっかかり続けていました。今でも車を持っていないという点だけは自慢できますが、それでもいろいろなものが増え続けています。買物をするときに包装紙を断るくらいでは足りないですね。(^^;
 地球環境の問題は、一人一人の意識が極めて重要になります。一人一人が現在の生き方を変えていく必要があります。そのことが社会を変えていく手段になるのです。それをしない人々は「人類はここまで!」と言っているようにも思えます。

 私自身は、次の4点を大切にしていきたいと思っています。あなたはどうでしょうか?

  • 今あるものを大切にし、ものを増やさない生活へ(長寿製品の尊重、ものの廃棄の仕方への配慮)
  • 地上資源の再活用を基本とした循環型生活へ(使い捨て商品の拒否、リサイクルシステムの尊重)
  • エネルギーをできるだけ消費しない生活へ(少なくとも今のような化石燃料を使うだけの車は持たない、空調機器に頼らない、太陽エネルギーの活用等)
  • 自然を大切にする生活へ(きれい事では済まないことは知っています。そのために不便になろうとも敢えて我慢せざるを得ないでしょう)

 …終わり…


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