2000年11月号:グレードダウン



 近年、環境問題・NPO等の記事が目に付くようになりました。いよいよ市民の力が重要な時代になっていくのを感じます。しかし一方では、その方向性がまだまだ手探り状態であることも、こういう仕事をしていると強く感じます。
 また逆に、情報のネットワーク化が進展するにつれて、経済の覇権化もさらに進みつつあり、ますます経済主義がはびこっているようにも思われます。

 現時点では、両者は反対方向の動きのように思われます。いつかはそれらが統合される時代になっていくのかもしれませんが、ここ当面は、両者の対立的な状況が強まっていくような感じを私は持っています。

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 最近、仕事の環境が急速にネットワーク化してきました。一つは、他社と合同で行う仕事が急速に増えてきているからであり、もう一つは、クライアントがパソコンを使うようになってきたからです。

 それにつれて、私たちの事務所で困ったことが起きるようになりました。世間がWiondowsばかりになる中で、当社のメインシステムであるMacと互換性がとれなくなってきたのです

 もともとMacにもWiondowsを牛耳っているMicrosoftのOfficeがあるにはあるのですが、フォントが違いますし、画像ソフトも双方で使えるようになってきていても、完全にデータ互換とはなっていません。データ変換の手間がかかるだけでなく、メールの送信等を含めて様々なトラブルが多くなってきたのです。ただ、この件に関してはWiondowsの環境に変えるだけですからそうは苦労がありません。今までも両方を使えるようにはしていたのですから.....。
 もう一つの困った点は、クライアントがパソコンを使うようになってきて、成果品として彼らも使えるMS-Wordでの成果を求めるようになったことです。以前、このページでも「PDFの薦め」を書きましたが、とてもそんなことでは納得してもらえる状況ではありません。仕方ありません、PDFを使う方が恐らくMS-Wordを使う方がクライアントの人々には身近なんでしょうから....。その結果、私たちがMS-Word他のMicrosoftの製品(Office)を使わざるを得なくなってきたのです。
 しかし、これが泣けるんです。MS-Wordがもう少しましな製品なら良いのですが、今までPagemakerを使ってきた私たちには、使いにくいことこの上ないソフトなんです。皆さん、こんなソフトでよく我慢していらっしゃる。(^^;

 以前、Macを使い始めた頃は、他の人々が、使いにくくて成果も見栄えのしないソフトを使っているのを笑っていれば良かったのですが、今回は、そうはいきません。もっと使いやすく、もっと美しくできるソフトの使用を自ら封じ込めて、こちらが皆さんの環境に合わせなければならなくなりました。
 私はこれを「グレードダウン」と呼んでいます。情報化に先行してきた私たちですが、今やそれがデメリットになろうとしているのです。正直言ってこんな退歩しなければいけない状況になろうとは考えてもみませんでした。でもこの世界、良いものが残るんではなく、要領のいいものが残っていく世界なんですから嘆いていても仕方ありません。おかげで、ようやく私もWidows環境に切り替える決心ができました。
 いろいろソフトの使い分けは今後も必要ですが、Wordなんぞ自由に使いこなしてやろうじゃないですか。幸い、今までの経験で、マニュアルを殆ど見ないでもコマンドを探すだけで大抵のソフトは使えるような状態になっていますので、それが救いです。

2000年(平成12年)11月27日  仙台への新幹線の中で

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