2002年5月号:個人用DB


 ここを訪れる皆さんは、私と同業の人も少なからずいるはずですから、情報に関心をお持ちの方も多いでしょうし、既に自分専用DB(Database)を何らかの形で持っているのではないかと思います。

 Web情報を自分のデスクトップに保存している人もいると思います。あるいはブックマークがそうだと言われる人もいるかもしれませんね。しかしそれは十分活用できるものになっているのでしょうか?
 私の個人DBはWindowsが主流となってしまった現在、今や「時代遅れ!」と言われかねない方法なんですが、私にとっては、これは他に置き換えることのできない極めて有効な方法になっています。
 今日は、そんな「私のDBの世界」をご紹介しましょう。何も、高級な機種に振り回される必要はありません。下に記すような使い方ですが、これこそいかにもパソコンらしい使い方ではないでしょうか。

 

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 以前、「テキストを楽しむ」というページを書いたことがありました。私のDBは、まさにその「テキスト」なのです。

 「ずるい!」と言われてしまうかもしれませんが、ここでは、その具体的なノウハウは書きません。私のDBの「できること」だけを書いていってみましょう。(^^;

●いつでも、素早く使えること

 可能なら携帯でき、スイッチ・オンと同時に、使えることが望ましいでしょう。
 私はそのために、今でもこんな時代遅れのパソコン(「HP200LX」と言います)を使っているのです。画面はモノクロですし、画面も変則的です。OSは「Windows○○」なんてものではありません。その昔、NECのPC-9800時代からの「MS-DOS」なのです。もう20年も前から殆ど進歩していません。この機種も最初に買ったのが平成7年6月10日ですから、もう足かけ7年使っていることになります。

 なぜこんなものを使っているかと言うと、私にとっては、「軽くて小さい(電池を入れても340gで、ポケットに入る)」、「スイッチを入れると同時に使える(完全レジューム)」ことに尽きます。

上に小さく見えているのが通常のキーボードです。
比較していただければ、その小ささを理解していただけるでしょう。

 

●自由に検索できること

 テキストであることの最大の利点は、以下のような点にあります。

◆データ量が小さい

 テキストであるということは、日本語なら2バイト文字ですから、512Mbのフラッシュメモリー(空き容量150Mb)には、これからまだ約7500万文字のデータが入ることになります。
 しかも、この中には既に、マイペディア、知恵蔵、大辞林、岩波中辞典他各種辞書類や、様々なソフトが入っているのです。

◆編集が手軽

 テキストであるということは、Editerという安いソフトで「置換」操作を使ったりして簡単に編集できるということです。
 そうやって、私のDBの基本形式を、以下のようなデータにしていますが、これはあらゆる検索・抽出のための準備段階なのです。

 ちなみに、このデータは「日経テレコン21」のデータベースから、さらに個人用DBにしたものです。どうせテキストです。大した手間がかかっているわけではありません。

 なお、この画面はデスクトップPCのドス窓で操作しているもので、同じ操作がHP200LXでもできるようになっています。

 

◆検索・抽出の自由度が高い・早い

 ワープロを使っている人は十分感じていることだと思いますが、文章の抽出はファイルが異なると、思うように行かなかったり、編集についてもフォントや文字サイズの修正等が結構面倒なものです。テキストであればこういうことからまず自由になれます。これだけでも嬉しいものです。

 しかも、抽出に際しては、リスト表示して閲覧・抽出したり、キーワードだけで複数ファイルから検索・抽出したりと、テキスト(それも一定の形式があった方が選択の幅が広がる)であればこその自由が得られます。抽出は1行単位だったり、カード単位だったりと、それも様々です。とにかく中から必要そうな部分だけを引き出せば良いのです。

 下図の画面は上図のデータをリスト表示したもので、こうしたタイトルの中から必要な記事にジャンプするような使い方をしているものです。

 今のところ7500万文字分ですが、まあこれだけあれば当分の間は間にあうでしょう。

 こんなことが、こんな小さなパソコンの中でできてしまうのです。

左の日付はくまでも、データを作成した日付です。
出典の日付は本文の中にあります。
 

●DB作成に手間取らないこと

◆DBの作成

 HP200LXは小さいにも拘わらず、文字入力のしやすさには定評のある機種です。しかし、何と言っても文字入力はデスクトップPCにはとてもかないません。インターネットもこんな小さなパソコンでは思うようになりません。
 こんな時は無理しないで、デスクトップにフラッシュメモリーを差し、デスクトップでデータ入力を行えば良いのです。インターネットなどの情報は、必要だと思えばカット&ペーストで即DB行きです。そのために、テキスト活用のためのソフトを使っていますし、デスクトップでも、DOS窓を活用してHP200LXの環境を大差ない環境を作っているのです。
 きっとWindowsを使っている人から見ると、不思議な世界なんでしょうね。

◆デスクトップとHP200LXのDBの同期

 しかも、データは相互に連携が図られるよう同期させていますから、デスクトップとHP200LXのデータはいつも同じものが持ち歩けるようになっているのです。もちろん、デスクトップでの活用の方がスピード・見やすさ等、全ての点で優っていることは言うまでもありません。

 さらにもう一点重要なポイントがあります。デスクトップでは画像が自由に扱えるということです。そのメリットを生かさない手はありません。

●できれば画像との連携も

◆画像のストック

 そのために、必要な画像は「image」という別フォルダーにとにかく入れておきます。
 画像は、HP200LXには入れません。HP200LXに画像を入れてしまうと、只でさえ少ないHP200LXのフラッシュのスペースを圧迫してしまうからです。

◆DBと画像の連携

 それが、いわゆる「タグ」というものなのです。このソフトでは、下の画面のアンダーラインの部分をクリックすると画像が表示されるようになっているのです。これでデスクトップPCでは画像も扱えることになります。

 
 ちなみに、これはインターネット上の新聞記事をDB化したものです。
 

◆ノートパソコンはデスクトップPCと同じ環境

 ノートパソコンも基本的にはデスクトップPCと同じです。とにかく、このDBは「軽く動く」ことが最大のメリットでもあります。ノートPCでありさえすれば、どんな安物であっても十分使える環境ができる筈です。

 

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 以上が、私のテキストによるDBの環境です。いかがだったでしょうか?

 私には、こんな素晴らしい環境でも、皆さんを敢えてお誘いしません。今からこういうことをやるのは結構大変ですから…。

 今の時代は今の時代にふさわしい方法がきっとあると思います。私は、データの継続性のようなことを意識していますので、今の環境に無理矢理合わせることを考えていないだけのことだと思って下さい。

 

2002年6月始め
 

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