1997年2月号:コンサル派遣


 昨年末に起きた、リマ市の日本大使館における人質事件は膠着状態のまま現在に至っています。
 日本海で起きたロシアのタンカー「ナホトカ」の重油流出事故の被害は160〜170億円に達するとの報道があります。沿岸に流れ着いた重油の除却作業が現在進められていますが、日本海の自然が長期的に損なわれたことを考えると、金額的なもの以上にその影響の大きさを感ぜずにはいられません。また、日本のこの事故への対応のまずさとともにこういう事故に対してこの程度の支援力、技術力しかもたないわが国の国力といったものにも思いは及んでいきます。
 オレンジ共済やKKCなど、あいも変わらぬ情けない事件が世間をにぎわせています。事件を起こしている張本人への怒りはもちろんですが、そういうものに期待を寄せる人々が多いこともちょっと悲しい気がします。そういえば、どこで電話番号をみつけるのか、私のところにも、「有利な利殖投資」とか、「税金対策」とかの電話が度々かかってきます。以前はそれでも丁寧に応対していたうもりですが、中には「がちゃん」と電話を切る輩もいて、最近は話しを聞く前にその意志がないことを伝え、相手の話を聞くことなく電話を切るようになりました。そんなに儲かるのなら自分でやったらいいんですよね。

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 いよいよ恐ろしい年度末に近づいてきています。今まではそれぞれの仕事をきちんと進めていれば十分だったのですが、これからは、まとめのための作業時間や打ち合わせの頻度が増加していきます。私のところでは役所関係の仕事が多いためにどうしても年度末が忙しくなってしまうのです。
 でもこういう生活も、20年もやっていれば常態というわけでちっとも苦にならなくなってしまいました。簡単なことなんです。過ぎ去ったことは忘れればいいんです。先週も忙しかったのかそうでなかったのか忘れてしまいました。(^^;

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 「市民参加」(またはさらに深い意味をこめて「市民参画」というところもありますが)が、まちづくりの世界において近年ますます盛んになってきました。こうした流れは強まることはあっても弱まることはないでしょう(このテーマに関してはいずれ書いてみたいと思いますが、ここで大上段に構えるのはやめにします。)。
 市民参画≒市民主体のまちづくりを進めるための基本となる考え方であると言っていいと思いますが、ここでは、そうした流れの中の一つの方向として「まちづくりコンサルタント」について書いてみます。皆さんは「まちづくりコンサルタント」の制度についてご存じですか?そうです。地域の人々が自分たちの考えでまちづくりをしていくために、行政等が専門家としてのコンサルタントをまちづくりを考えている地域に派遣するというものです。

 まちづくりに関する諸計画の財源がばっさり削られていく中で市民参加の流れだけは留めようが無く、こうした制度だけは拡大の方向にあります。私もとうとう「まちづくりコンサルタント」に指名されて活動することになりました。それも2都市でです。v(^^)
 こういう仕事は、概ね善意にもとづいて動くものなので否定的な言い方はしにくいものなんですが、ビジネスとして考えればこれほど割の合わないものはありません(キッパリ)。
 しかし、そういったことは別として、まちづくりコンサルタントとして派遣されて地域に赴くのもなかなか面白いものです。

 つまり、自分の持てる能力の全てを使って真剣に対応するということは、日常の生活の中ではそうそうあることではありません。いってみれば私がこの仕事を気に入っているのもその点にあるのですが、これが意外と面白いのです(そう言ってしまうと誤解を招きかねませんが、その意味するところはご理解下さい)。
 この制度にもとづく「まちづくりコンサルタント」が私の専門というわけではありませんし、こればっかりしていたら食べていけなくなってしまいますので、私自身が責任の持てる範囲で係わっていきたいと思っていますが、今は、そんなことも楽しみながらやらせていただいています、という報告でした。
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