1997年3月号:INETの活用-1
リマ市の日本大使館における人質事件、ロシアのタンカー「ナホトカ」の重油流出事故の後始末は相変わらず重苦しい状態が続いています。
ますます年度末です。
先日、打合せを兼ねて日立市の「都市景観形成シンポジウム」にでかけて来ました。宮崎緑さんの基調講演とコーディネーターによるものです。彼女(なんていっては失礼かな?)もテレビで見るよりなかなか色っぽくなっていたように感じました(^^;。いろいろ厳しいことを言われるようなことがあってもまだまだ30歳代後半なんですから、暖かい目で見て上げた方がいいかな?と思っています。
会の後の交流会では久しぶりに駅前開発時代の方々と話をしてきましたが、私を「商売っ気がない」と他の方に紹介されてしまいました。私は「商売の仕方を知らないんですよ」と言っておきましたが、本当にそうですね。特に最近の仕事はサービスばかりです。(^^;
でもこれはこれで私のことを認めてくれているんだと思っておきましょう。最近、金儲けや自己主張の世界にちょっと辟易しているところがあって、自分の納得のいく仕事をしてそれを認めてもらっているのならそれでいいじゃないかと思うようになっています(本当に認めてもらえているかどうかはわかりませんが)。
先日まとめた「インターネット建築辞典」の中の原稿案を以下に示して今月号とします(手抜きでした(^^;)。でも、編集者の方からは、編集者としてこんなことをいうのもおかしいけれど.....。私の原稿を読んでみて『インターネットは使えるもんだということを認識しました』というような趣旨のメッセージをいただきました。
あなたも時間があれば、是非訪れてみて下さい。
「インターネットで都市を体験する」
都市計画の仕事をしていると、全国のみならず世界各地に関するあらゆる情報が欲しくなるものである。
一般的には検索サイトで都市名を検索すれば、それぞれの都市が出しているホームページにたどりつくことができる。しかし、それではあまりに芸がないし、それに行政の情報だけでは面白くない。そこでここでは、別の側面から都市へのアプローチをしてみたい。
1.地図で都市を知る
私たちにとって、地図は都市を知る第一歩である。デジタルデータで都市情報が得られればその後の活用にも大いに発展性がある。そういった意味で地図情報がうまく活用できればこんなにありがたいことはない。
しかし、地図情報には著作権への配慮が必要であることは当然であるが、それ以上に問題なのは、精度が物足りなかったり、他の情報をインプットするためのベースであったりして、利用目的になかなか合致してくれないことが多いことである。きちんとした精度と情報表現の地図があって欲しいものである。
2.写真で見る
何といっても、現地を写真で見たりQTVRなどで疑似体験をしたりできるのがインターネットの最大のメリットだろう。都市については、通常の眼の高さで撮影した写真と空中写真があるが、特に空中写真は調査においても重要なだけでなく、あたかも自分が鳥になったかのような気分も味わえてなかなか楽しいものである。実体視できるようなデータであればさらに良いのだが...。
また、特定のテーマで地域を上げているサイトもある。こうしたサイトには様々な視点のものがあり、変化に富んでいて面白い。うまく巡り会えると「してやったり」という気分も味わえる。
3.インターネットで旅をする
せめて旅行者の視点からででも各地を知ることができれば、さらに生きた生活情報を得ることが可能になる。旅行情報は比較的一般的にならざるを得ないが、観光情報や食べ歩き情報のようなものからでも都市をさらに知ることによって少しでも土地勘を感じとっていきたいと思う。
運が良ければ、ツーリング情報などから目的の地域に接近することも可能である。
4.特定の場所を探す・知る
最近私は「世界遺産」に興味を持っているが、このような特定のテーマを軸に都市を探し、その状況を知ることもなかなか楽しいものである。
また、特に目的がなくてもいろいろな商店街を散歩してみたり、自然豊かなアウトドアスポットへ行ってみたり、全国各地・世界各地の変化に富む景観を楽しみ、バーチャル体験をすることができるのもインターネットならではということになる。
- バーチャル銀ぶら:GINZA CONCIERGE(http://www.ginza.co.jp/)
地域を実感するという意味では、商店街をぶらぶらしながら眺めてみるのも悪くない。ここはさすがに銀座である。QTVRでバーチャルな銀ブラが体験できる。
- 世界遺産:The World Heritage INDEX(http://www.tbs.co.jp/heritage/)
これもテレビでお馴染みであるが「世界遺産」を体系的に見ることができる。これももっと多数の写真の掲載を期待したいものの一つである。
- アメリカ7都市のVRML:Planet 9 Studios(http://www.planet9.com/)
CGによる都市の疑似体験である。建物は積木のようであるが、ハンドルやボタンを操作することにより自由な角度・距離でリアルタイムに移動することができる。
- アウトドアベンチャー:NatureBreak(http://www.naturebreak.com/)
都市を歩くのに疲れたら、大自然を訪れてみるのもいいだろう。ここではQTVRと音声によってニューメキシコ・ディアブロ峡谷のアウトドアベンチャーを体験することができる。